ナリシゲ(@nari_104)です。
高校野球ファンはこういいます。
「甲子園は準々決勝が一番面白い」と。
準々決勝、つまりベスト8同士の試合(4試合)は、甲子園では1日で全て行われます。大会を勝ち上がってきた強豪8チームの試合を1日で見ることができるわけですから、大変お得な1日です。
2013年の夏の大会では、準々決勝の4試合すべてが1点差の好ゲームでした。
反面、大差がつくような大味な試合を見ることも少なくありません。
今日は、本当に「甲子園は準々決勝が一番面白い」のか、過去10年の夏の甲子園の試合結果をもとに検証します。
特に、私個人が体感的に面白いと感じている3回戦と比較してみたいと思います。
「面白い試合」とは
「面白い試合」というのは、個人によって違いがあります。1-0といった投手戦を好む方もいれば、8-7のいわゆる「ルーズベルトゲーム」といわれるような試合を好む方もいます。
この記事では、「点差の少ない試合」を「面白い試合」と定義したいと思います。1-0であっても8-7であっても、1点を争うような試合は間違いなく好ゲームです。好みの違いはあれ、僅差のゲームを面白いと思わない方は少数派でしょう。
準々決勝
では、まずここ10年の夏の甲子園の準々決勝40試合の点差を見てみましょう。
試合数 | ||
1点差 | 11 | 27.5% |
2点差 | 1 | 2.5% |
3点差 | 10 | 25.0% |
4点差 | 4 | 10.0% |
5点差以上 | 13 | 35.0% |
40 |
全40試合のうち、1点差ゲームが全体の27.5%です。2点差の試合を加えると30.0%。また、全体の35%が5点差以上の大味な試合となっています。
なお、2013年の準々決勝は4試合全てが1点差ゲームです。(花巻東5-4鳴門、日大山形4-3明徳義塾、前橋育英4-3常総学院、延岡学園5-4富山第一)
また、現在開催中の第99回大会では準々決勝4試合中3試合が5点差以上のゲームとなりました。(東海大菅生9-1三本松、天理13-9明豊、広陵10-4仙台育英、花咲徳栄10-1盛岡大附)ちなみに、準々決勝4試合すべてが4点差以上となったのは夏の大会史上初めてのことです。
3回戦
私が個人的に面白いと思っている3回戦、計80試合を集計した結果はこの通り。
試合数 | ||
1点差 | 22 | 27.5% |
2点差 | 12 | 15.0% |
3点差 | 14 | 17.5% |
4点差 | 10 | 12.5% |
5点差以上 | 22 | 27.5% |
80 |
1点差ゲームは全体の27.5%と準々決勝と同じ割合となりましたが、2点差の試合を加えると42.5%となり、準々決勝の数値(30%)を上回ります。5点差を上回る試合も準々決勝より少ない27.5%。
但し、年によってばらつきがあります。
第95回大会(2013年)は5点差以上のゲームが8試合中5試合、逆に第97回大会(2015年)では8試合中5試合が1点差ゲームとなっています。
ここまでの結論
準々決勝より3回戦のほうが僅差のゲームがやや多く、大味な試合がやや少ないという集計結果です。白熱した試合は準々決勝より3回戦のほうが多そうです。
だからといって「準々決勝より3回戦が面白い」とも言い切れません。その理由は、3回戦の8試合は2日に分けて行われるため、僅差の試合、大差の試合がどちらかの日に偏る可能性があるからです。また、準々決勝の4試合には必ずその後の優勝チームが含まれていることも、3回戦との大きな違いです。(3回戦のどちらか1日のみを見た場合は、その後の優勝チームを見られない場合もあります)
せっかくですので、準決勝、決勝も集計してみました。
(現時点では今年の準決勝、決勝は行われていませんので、昨年までの9年間の結果を集計しています)
準決勝
試合数 | ||
1点差 | 3 | 16.7% |
2点差 | 1 | 5.6% |
3点差 | 1 | 5.6% |
4点差 | 2 | 11.1% |
5点差以上 | 11 | 61.1% |
18 |
全18試合のうち、なんと6割以上の11試合が5点差以上ついた試合です。勝ち進んだ4校による試合であることに加え、ここ数年は前日が休養日となっているためもう少し僅差のゲームが多くても良い気がしますが、驚きの結果です。
決勝
試合数 | ||
1点差 | 3 | 33.3% |
2点差 | 0.0% | |
3点差 | 1 | 11.1% |
4点差 | 1 | 11.1% |
5点差以上 | 4 | 44.4% |
9 |
全9試合のうち、1点差ゲームが3試合、5点差以上のゲームが4試合と極端な結果となりました。
1点差の試合といえば、2013年(第95回大会)では前橋育英(群馬)が4-3で延岡学園(宮崎)を破った試合が思い出されます。大差の試合といえば、興南(沖縄)が春夏連覇を果たした2010年の第92回大会。決勝戦では、興南が13-1で東海大相模(神奈川)を大差で破っています。
結論
白熱した試合を見るなら、3回戦>準々決勝>決勝>準決勝 の順となります。
ただ、大差の試合であっても、高校球児の最後まであきらめない姿には感動すら覚えます。
つまり高校野球は面白い。

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